100倍以上の固定資産税に悲鳴が

農業継続を条件に、固定資産税や都市計画税の減免、相続税の支払猶予の優遇を得た市街化区域内の農地が生産緑地です。

1992年に指定された土地が30年間の指定期限の終わりを迎えるのが2022年、東京23区内でも135万坪、50坪の区画に直すと27000区画分もあります。

 

どれくらい固定資産税等が優遇されているかと言いますと、たとえば500坪で固定資産税評価額が坪200万円の土地の場合、宅地並課税ですと年間約170万円、これが生産緑地の指定を受けると年8500円、実に1/200になる場所もあります。

とても農地として生計を立てているとは思われない「農地もどき」の土地を見かけますが、税金が劇的に安くなるのが一因と言われています。

2022年に指定が解除されて農業を継続する人がいないと、宅地並課税として一気に固定資産税等が200倍になり、とても払えないという地主さんが多く出てくると予想されています。

 

地価下落を待って買おうとしている方は

いま不動産の購入を見合わせて、2020年の東京オリンピック特需後の下落に加えて、2022年の生産緑地解除による宅地の急激な供給による下落を待っている方もいらっしゃると思います。

国や地方自治体は、この急激な宅地供給による地価の下落や、住宅市場の混乱を防ぐため、法改正を行い地主本人が農業を継続できなくても第三者に貸しても指定を受けられるようにしたり、500坪の面積用件を300坪にしたり、地主さんに何とか10年の指定延長をしてもらおうとしています。

人口減や、災害の多発による避難場所のニーズが高まってきたためです。

 

特に生産緑地が多い、世田谷区や練馬区が影響が大きいなど、地域的な問題もありますし、精勤のために売らなくても、そのままでは固定資産税を払えないのでアパートを建てる方も増えるでしょう。

そうすると賃貸物件の供給過剰になる可能性もあります。

国や地方自治体が、さらなる「飴」を提示して、宅地が増えないようにする可能性もあり、購入者、投資家、生産緑地が多い地域で売却する方には、オリンピック以上に、動きや情報をチェックする必要があるでしょう。

 


すまいる情報東京 代表取締役社長
竹内 健二