恥ずかしさを軽減して、女性のがんを少しでも減らしたい

女性検査用パンツの製造販売
 

日本シーエイチシー株式会社 代表

古川 裕祥 さん

 

 

女性検査用パンツって?

今回ご紹介するパートナーは、子宮頸がんなどの女性がんの検査時にはくパンツの製造販売をされている古川さんです。

古川さんは、お父様を大腸がんで亡くしてから、世の中から大腸がんを少しでも減らしたいと念じて、腸内洗浄の機械を輸入して医療機関に販売する会社を興されました。

そして、現在は子宮頸がんを減らしたい、それが少子化対策にもつながるとの思いで、女性検査用パンツの製造販売を主力に頑張っていらっしゃいます。

 

女性検査用パンツとは、福島県立医科大学の医師であった渡辺久美子さんが「せめて露出部を狭くしてあげれば恥ずかしさも減るのに・・・」と思ったことをきっかけに、一人でも多くの女性が婦人科検査を受けやすくなるようにと考案したパンツです。

 

 

恥ずかしさも原因の一つかも

日本では子宮頸がんの検査を受ける率が、欧米の3分の1以下ということです。

下着を脱いだまま待合室で待機し、呼ばれたら脚を広げる診察台に乗ります。

医師からは、無防備な下半身裸の状態で、さらにもっと脚を広げるように言われる・・・。

恥ずかしさと、惨めな気持ちになる人が多くいるだろうと、考案した渡辺医師が自分で検査を受けてみて実感したそうです。

 

検査を受ける人が日本で少ないのは、ひょっとして、日本人の多くは、この恥ずかしさ、尊厳を傷つけられる屈辱感と感じることにあるのではないかと思ったのが発端でした。

この女性検査用パンツは、福島県立医科大学の医師が考案したので、医師は県職員でしたから福島県が特許を取得しました。

 

 

普及してくると新たな課題が

福島県立医科大学とご縁があった古川さんに製品化の話が持ち込まれましたが、国内の工場で見積もりを取ると製造代が高くて、とても普及させるには無理な値段になってしまいます。

 

結局現在はベトナムで製造して船で運ぶという形になっています。

 

新聞記事やNHKの「あさイチ」という番組で取り上げられたこともあり、今では、癌研有明病院、山王病院、愛知県豊明市、その他個人医院などに普及してきました。

広まるにつれて、新たな課題が出てきました。受注してからベトナムで作って船で運んでくると、とても時間がかかり、たびたび在庫切れという事態が起こってきました。

 

 

パートナーとしての出会い

古川さんとは、たまたま空室になった当社の新浦安オフィスの向かいの事務室に入居されたことがキッカケでした。

もともと古川さんの会社は、当社の東京オフィスと目と鼻の先の小伝馬町にありました。

ご自宅は新浦安で、コロナで対面商談が減ってきたので、思い切って自宅のそばにオフィスを移そうとした機会でした。まるで引き寄せられたようです。

 

当社のお客様でも子宮頸がんで苦しんでいらっしゃる方もいますし、私の家内はがん家系、娘もいますので他人事とは思えなくなり、検査を受ける方の恥ずかしさを減らして尊厳を守るという点にも、とても共感しました。

 

 

八方良しの社会貢献事業に

検査を受ける方が増えて、早期発見、早期治療によって子宮を守ることができれば、それは少子化対策の一助となりましょう。

社会に役立つことは、自分の持ち場でやれば良いという考えですので、納品=検査のスピードを上げるのには、やはり国内に製造拠点を設けることではないかと思いました。

 

工場は私の会社の専門分野ですし、人の問題もネットワーク内で何とかなるかもしれません。

ハードルはかなり高いですが、神様は解決できない課題は与えないと思いますので、女性の体を守り、少子化対策の一助になればと、すぐに国内拠点開発担当として、手を上げました。

 

関わる方の利益にもなり、喜ばれる方も増やせる事業に育てて行きたいと思っております。