首都圏平均価格が、あのバブルを超えた

1991年(平成3年)の首都圏新築マンションの平均価格は6137万円、2021年上期は6702万円となりました。

つまり2021年は首都圏に含まれる郊外のマンションも売出価格が上昇したと言えます。

 

平均価格は総額の数字であり、広さが反映されていません。

70㎡6000万円だったものが、60㎡6000万円になれば、平均価格は「横ばい」でも実質は15%の値上がりです。

さらに、設備の仕様を落としたりして総額を上げないようにしているのが昨今の新築マンション手法です。

50㎡台の3LDKが出現しているのはライフスタイルに影響を与えることになり、どこかで消費者に見限られる可能性もあります。

広くて安い中古をリフォームして住む、という層と二分化してくると思われ、中古がさらに値上がりしてくる可能性があるでしょう。

 

 

ローン控除縮小で新築にこだわらない動きに

先ごろの自民党税制改正大綱でローン控除の縮小が発表されました。

新築のメリットの一つにローン控除額が中古より大きいことがありますが、縮小により、無理のない価格で中古にする、という選択をする方が増えてくるでしょう。

 

売れるからと言って、在庫をすべて売ってしまっては来期の売り上げが減ってしまうのを避けるため、新築は「出荷調整」局面に入って来ました。

なおさら中古に目が向いてくると思われます。

 

狭くても良い方は、新築では手が届かない千代田・港・中央の都心三区、広さを求める方は、都心部では無理な100㎡を求めて準都心や新浦安など都内隣接地に向かう動きが顕著になっています。

 

コロナ最中は、リモートワークが増えて都心から郊外や地方へ人が移動する、という論調が多くみられましたが、完全リモートワークが可能な業種は多くは無く、やはり通勤便利なところ、という立地は健在です。

 

コロナで体験した先行き不安感は、万が一という時の持ち家志向、守りの姿勢に拍車をかけ、賃貸脱出の動きはしばらく続きそうです。

 


すまいる情報東京 代表取締役社長
竹内 健二