文字通り「還暦」でもう一度若々しい動きが

60通りある干支が一巡して、生まれた時の干支に還るのが還暦だと聞きます。震災後も、浦安で、決断力良く、積極的に住み替えを実行する70代後半から80代の方が目立ちます。還暦で赤ちゃんに還ったとしたら80歳は、二十歳の青年、お嬢さん。決断力、実行力もなるほどと頷けますが、実際のお若い方と違うのは「誰か他の人のために」という気持ちが入っている点ではないかと思います。70代、80代の方にとっては、個人的な住宅の趣味嗜好で住み替えることはほとんどありません。趣味嗜好で考えるのなら「今の家で充分」という方が多いでしょう。

「誰かのため」の住み替えとは?

美浜のBさん、共に70代のご夫婦。ご主人が「自分が先に逝った時に、家内に苦労をかけたくない。相続のことも面倒だろうし、家の片付けだけで参ってしまうだろう。」と考え、思い切って一戸建てから別の一戸建てへ住み替え。住み替えに乗じて家財荷物も大整理、名義もついでに奥様に変更して、「やることやっておいたので、気持ちが清々した。あとは気楽に生活を楽しみます。」と感想を頂きました。

日の出のWさん、80代前半の女性、ご主人は亡くされています。今の家を売却して、元気な人が入れる施設に移ろう、と決意しました。子供たちに迷惑を掛けたくない、という気持ちと、これからの時代を生きて行く子供や孫は家の値段が高くて大変だろうから余ったお金を援助しようという気持ちからでした。相続と生前贈与が違うのは、援助してあげた人が喜ぶ顔を見られること、それも自分の元気の源になった様子です。

政府税制改正大綱で、住宅資金贈与の特例(今年は1000万円、耐震・省エネ住宅は1500万円まで)が3年延長になりました。新築マンションの好調も、この政策に下支えされているようです。夫婦それぞれが1000万円の贈与を受けると、予算は一気に2000万円アップします。中古を考えていた人が2000万円高くても新築に、ということが可能となるためです。贈与を機に、親と子の住い方、例えば親の近くに住むのが安心か、もし再び震災があった時に備えて、東と西に分かれて住むのが安心か、色々なケースが出てくるでしょう。

その他、当社の実例では、親子同居のための住み替え、また震災が来たときにお互い助け合えるよう、西と東に住む、幼馴染の近くに移って子供の頃に時計を戻す気持ち、など「誰か」を意識した住み替え例が目立ちます。当社スタッフも、このような喜ぶ人が多い住み替えのお手伝いはとてもやり甲斐につながります。「いくつになっても、今から、ここから」スタートしようという方を大応援します。どうぞ、世間話から始めにいらして下さい。

代表取締役社長 竹内健二