忘れないことの力【この記事を音声で聴くにはQRコードまたは以下のURLから】
「すまいる通信2023年3月号」 @すまいるたけチャンネル
https://stand.fm/episodes/641399ea61a3509df50f1a22

 

こんにちは。すまいる情報代表の竹内です。

3・11東日本大震災から12年経ちます。今日17日は、3月11日に生まれた子の小学校の卒業式の日です。そして間もなくお彼岸です。

 

この時期、毎年手に取る本があります。一つは、当時朝日新聞記者だった三浦英之さんの「南三陸日記」で表紙は当日婚姻届けを役場に出しに行って亡くなったお父さんの娘さん、もう一つは当時毎日新聞記者だった萩尾信也さんの「三陸物語」です。

 

鹿島御児神社(石巻) 津波で唯一流されなかった神社

 

津波で遺体がそこらじゅうにある中で、取材をしなくてはならない過酷な状況なのですが、この二冊の視点には「悲しみや苦しみとただ一緒にいる」という、現地の人たちが堪えている感情と一体になっているものを感じ、私の仕事の教えにもなっています。

 

 

元気に頑張りましょう、という当事者にとっては煩わしいある意味ポジティブ思考の励ましでもなく、何事も必然だから感謝して悲しみを忘れて消し去りましょうという無理やり思考でもなく、ただ共に一緒にいる、ということがどれだけ救いになるか計り知れないことを両著書から感じます。

当社のお客様は70代以降の方が多いという特質から、毎年訃報をお聞きすることがありますが、亡くなった取り込み中にも関わらずご連絡やご相談をいただけることは大変ありがたいことです。

肉体が無くなってしまっても、記憶はなくなりません。

一番悲しいのは、存在そのものが忘れられてしまうことだと思います。

故人との記憶を思い出して、言葉には出さなくとも一緒に偲ぶのが私なりの供養にしています。

 

 

記憶が飛んでしまう認知症に関わるご相談も多いのですが、私の母も最期の5年間くらいは認知症でした。

私は生涯一度も母から怒られたことが無く、もともと怒りの感情が欠落していた人だと思っていましたが、認知症になってからは、いつも笑ってばかりいて、苦しい事や悲しいことの記憶が飛んで楽しいことしか記憶していなかったのではないかとさえ思いました。

 

医学的な説明はあるのでしょうが、それはさておき、いよいよ菩薩様になったかと思いました。

孫(私の娘)の幼児期の写真を見ては、多分娘の年齢は止まっているのかもしれませんが、あの仕草が可愛くて面白いなどと笑うのです。

 

世は断捨離、シンプルライフ流行りですが、五木寛之さんのように「捨てない生き方」という考えもあります。

認知症には、回想することが効果があるとも聞きますので、片付けすぎも良し悪しかもしれません。 

 

忘れないでいてくれる人がそばに一緒にいてくれる、それだけでも人生の果報ではないかと、お彼岸の今、そのような人でありたいと願っております。