明日来るかもしれない、地震・雷・火事・強風 見直したい「保険に入っているはず・・・」

株式会社あんしんキーパー代表 
岡田 亘弘 さん

 

岡田さんには、すまいる情報で住宅を購入されたり、賃貸されたお客様の保険を受け持って頂いています。

今回は、岡田さんに、わかりにくい保険の仕組や、最近の保険の変化について伺いました。

 

 

小崎 : コンロなどの住宅機器が改良されたり、燃えにくい材料で家が建てられたりして、最近は火災保険の在り方が変わってきたと聞きます。

 

岡田 : そうですね。

先ごろの台風で屋根が飛んだお宅ですとか、大雨で浸水したり、火災以外のところで、保険が使えるのかというお問い合わせが増えてきました。

 

小崎 : 実際の事故で、保険金が出ないケースもあると思いますが、どのようなケースが多いのでしょうか。

 

岡田 : 残念なことに、保険が切れているケースもよくあります。

昔は住宅ローンを借りるときに、火災保険をかけることが必須でした。

銀行などが、質権と言って保険を質にとって、火災が起きてローンの担保をつけている家が焼失したときに保険金を銀行が受けとれる仕組みでした。

従ってユーザーはローンを借りる為に保険に加入していた為、保険に入っていたという認識も薄く更新しない事も多々あります。

保険の大切さを認識しないで「無保険」のままになっているケースです。

 

小崎 : そもそも保険が切れていたら、保険金が出るはずはないですね。

他にはどうですか。

 

岡田 : 保険には入っているが、火災の時だけ保険金が下りる内容のケースです。

公団住宅の割賦払いに付いていた保険などに多くみられます。

補償範囲が狭いので、保険料が安く、利用している方が多いです。

 

小崎 : チラシなどで、保険料が安いものを見ると、つい今の保険を切り替えようかな、と思うことがありますが、落とし穴はないでしょうか。

 

岡田 : 他の会社の保険料を見て、後出しでそれより安くして、切り替えさせるのが、商売としては普通のことですから、同じ補償内容でしたら、安いに越したことはありません。

 

小崎 : では補償内容を、よく比較しなさい、ということでしょうか。

 

岡田 : 補償内容の比較は当然なのですが、実はご相談の電話で一番多いのは「パンフレットに書いてある補償内容に該当しますか?」というものなのです。

パンフレットに書いてある補償内容は、簡潔にまとめてありますが、実際の事故は様々なケースが重なっていて、台風の被害でも、実際は床下浸水だったり、瓦が飛んで雨漏りだったり、または植木鉢が飛んで人にケガさせてしまったり、隣の方の自動車を傷つけてしまったり、などが複合的に起こるわけです。

ですから、パンフレットのように単純ではなく、保険金が出るケースと出ないケースで比較しないと、本当のところはわからないのです。

 

小崎 : なんだか、余計難しくなってきました。

私などは、わからないことは、その道のプロに任せてしまったほうが楽のような気がしてきました(笑)。

 

岡田 : 保険会社というものは、保険商品を作り、集めた保険料を運用して、いざという時の保険金の支払いを滞りなくするところです。

実際の実務は、私共のような代理店が行います。

その実務の中で、一番大事なのが、事故が起こった後のスピードです。

今雨漏りしている方にとっての切実な願いは、雨漏りを直すことであって、事務手続きも含めていかに修理までスピードを速くできるかですね。

 

小崎 : そのようなことは、パンフレットに書いてないですね。

 

岡田 : 保代理店も様々ですから、パンフレットには書けないのです。

台風による雨漏りを例に挙げますと、このようなステップになります。

 

 ① お客様から、台風被害の電話をいただく。

 ② 詳しく聞き取り、現地を確認しに行く。(調査会社の場合あり)

 ③ それが保険事故に該当するか保険会社と連携して確認する。

 ④ 保険事故に該当すると確認したら、お客様に工事の見積りをとってもらう。

 ⑤ 見積りに不審な点はないか精査する。

 ⑥ 問題なければ、工事をしていただき、保険金を支払う。

 

このステップ一つ一つが、時間を要します。

確認や事務処理は私共の問題ですが、見積もりを取ったり、工事の手配をしたりはお客様の範疇になります。

私共だけでは修理完了までスピードアップを図れないのです。

 

小崎 : たくさんの方からお預かりした保険料から支払うのですから、簡単にはいきませんよね。

 

岡田 : そうですね。

お客様も初めてのことでよくわからないので、すまいる情報さんのように、①②④⑥あたりを、お客様をサポートして頂けると大変助かりますし、結果として早く修理が完了できてお客様に喜んでいただけます。

 

小崎 : 友人で、保険料が安かったのですけれど、なかなか電話がつながらない、保険の可否も事務的で、少しでも保険が使えるようにしてあげよう、という気配すらなかったという人がいます。

 

岡田 : 大きな災害があると、忙しくなってしまいますので、私共も自戒を込めて気を付けたいと思います。

 

台風15号で屋根が飛んだ千葉県鋸南町

 

小崎 : ところで「保険を使って修理しませんか」というリフォーム会社が問題になっているようですが、どんなことなのでしょうか。

 

岡田 : そもそも経年劣化による損傷にも関わらず、自然災害による事故として保険金請求をお客様に勧めるケースが多発しました。

お客様も自腹を切らないで済むなら嘘に加担してもいい、という方もいらっしゃり、問題になりました。

保険請求手続きを代行するとして、高額なコンサルティング料を請求された例もあります。

先ごろの台風では、県の依頼を受けたとして来訪し、勝手に屋根にブルーシートをかけ、高額な費用を請求された事例も報告されています。

 

小崎 : 主に一戸建てにお住まいの方が、火災保険や災害の補償のお世話になると思います。

最後に。これからの保険の動きで、アドバイスをお願いします。

 

岡田 : 現在の火災保険は、火災よりも、風害や浸水などに対応したものがメインになってきています。

自然災害が起こるたびに、それに対応した補償内容に変化してきます。

現在保険期間は最長10年ですから、10年ごとの更新時に、内容を見直したほうが良いでしょう。

 

また、築年数がかなり経った家は老朽化も進んでおり、災害による損害が大きくなりがちです。

そういった家屋の火災保険料は今後大幅に上げようという流れになってきています。

該当する方は、保険料が上がる前にご検討してはいかがでしょうか。

 

小崎 : 今日は判りやすいお話をしていただきまして、ありがとうございました。

 

岡田 : ご自宅の状況についてはまずすまいる情報さんにご相談頂ければ、お話しの内容がよく見えて、的確なお答えができると思います。

 

この専門家に依頼したい!/連携専門家についてもっと知りたい!