プリズムとは

はじめまして。プリズムの田頭あやこと申します。プリズムは地域での女性活躍を推進している任意団体です。活動を始めてから8年目となった現在、正会員は58名、メール会員は620名を超え、会員のほとんどは浦安市とその近郊に住んでいる女性です。私たちの活動は、ほぼ浦安市内に限定して行っていて、地域密着で活動をしていることには理由があります。

多様なライフスタイルの女性たち

平日の日中、浦安市内で出会う子育て世代の女性たちのライフスタイルはさまざまです。例えば、フリーランスやパートで仕事をしていたり、月に数日だけ自宅でお教室を開いている方もいます。また、仕事だけではなく、サークルの運営や、ボランティア活動、資格取得のための勉強をしている方もいます。例をあげればキリがないのですが、そんな女性たちに共通していることは、母親という役割だけではなく、自分自身も成長したい、地域の役に立ちたい。自分の経験や知識を社会のために活かしたい。という想いを持っているということです。これらの想いを活かすことができるのは、子育てとの両立がしやすい地域の中です。こんな女性たちの、経験や活躍の場を創っているのがプリズムです。

まずは地域で小さな一歩を踏み出す

今日本では、少子高齢化、大介護社会に対応するため、「女性活躍」を推進する動きが活発になってきました。企業内では、女性も男性も育児や介護などと仕事の両立ができるよう、残業を減らす動きが急速に進んできています。しかし、一人目の子どもを産んだ女性の六割はすでに退職をしてしまっています。プリズムに入会する方は後を絶ちません。「本当は続けたかった仕事を辞めたので、何かできることはないかと思って。」「勉強をして資格をとったので、子育てをしながらお仕事がしたい。」「プリズムにはいろいろなことをしている人がいるので、私もやってみます!」そんな声をたくさん聞いてきました。また、プリズムがきっかけの一つになり自分のやりたいことを見つけたり、経験を積んで仕事の幅を広げたり、企業に再就職する人もいます。小さな一歩を踏み出せる場所として、プリズムを続けてきて良かったと思っています。

子育てと両立できる働き方

今の私は、主婦とプリズムと仕事という3足のわらじなのですが、結婚するまでは仕事ばかりの生活でした。人に恵まれたお陰で、新卒で入社した大企業で管理職になり、20代でITベンチャーの役員にもなりました。当時、従業員が続々と体調不良を訴える中、自分自身も疲労で体を壊し、企業内での働き方に疑問を持つようになりました。財務が専門でしたが、働く人が幸せな経営を追求したくなり、企業経営を体系的に学びました。

そんな私が結婚をして、妊娠中に体調が悪くなったときに、子どもを守りたい。母親に専念したいと思いました。晴れて専業主婦になったのですが、あっという間に「社会から置いていかれる。」という不安に襲われました。子育ても仕事も私にとっては生きていく上で当たり前のことなのに、どちらかを選ばなければいけないのだろうかと、とても悩みました。そんなとき、たまたま参加した浦安市主催のキャリア講座で出会った一人の女性の話に衝撃を受けました。彼女は保育士でしたが、出産をして勤めていた保育園を辞め、自宅で子育て講座を開いていると聞いて驚きました。子育てをしながら、そんな仕事の仕方があることを、その時の私は全く知らなかったのです。

プリズムの始まり

のちに彼女から「一人で何かをしている女性たちが応援し合える場所を作りたい。」と誘われ、「参加する!」と即答しました。私にも何か手伝えることがあるのではないかと思ったからです。これがプリズムの始まりです。いろいろなライフスタイルの女性たちが誘い合って集まるようになりました。私はすでに再就職をしていて、東日本大震災をきっかけに独立するまで、企業勤めをしながらプリズムに参加をしていました。プリズムに行くと、子育てをしながらも何でもできるかも!私もがんばろう!と思えるたくさんの仲間に出会えたからです。こんな仲間の輪がどんどん広がり、みんなでできることが増え、今のプリズムがあります。

女性を応援してきた大先輩との出会い

すまいる情報東京の新野さんと出会ったのは、うらやす市民大学です。同じ教室で同じ授業を受けていました。この授業は特にシニア世代の方が多く、学生の中で全く世代の違う私は明らかに浮いている存在だったと思います。しかしその中で新野さんとはすぐに意気投合してうれしかったことを覚えています。このご縁をきっかけに、サポーター(賛助会員)としてプリズムを応援していただいています。年三号発行しているプリズムの会報誌を私がオフィスにお持ちすると、竹内社長をはじめスタッフのみなさまが席を立って笑顔で出迎えてくださいます。地域密着で女性の応援をされてきた大先輩のご支援をいただけることはとても心強いです。

浦安市への恩返しと次世代への恩送り

私は今この市民大学で、「うらやすの私らしいライフスタイルを考えよう」という授業をしています。3年目になる今年度は、30代~70代の学生のみなさんと共に、私自身も学ばせていただいています。また、経営理論をできるだけ分かりやすく伝える女性向けの両立起業スクールを主宰、講師もしています。プリズムも市民大学も起業スクールも、専業主婦の頃、もちろん今もですが、お世話になった浦安市に対する恩返し。そして当時の私と同じ想いを抱えている今の女性たちへの恩送り。と思っています。恩送りというのは、お世話になった方に直接ご恩を返すのではなく、次世代にその恩を送るという意味です。

次世代というと、子どもたちのことを指すのが一般的だと思います。しかし子どもたちが多くの時間を過ごす家庭や地域の中で、活き活きと暮らす大人の背中を見せることが、健やかな子どもたちの成長につながるものと信じています。

浦安市初の女性創業支援施設

全国の中では、まだまだ若い浦安市ではありますが、新浦安駅周辺の中町ではすでに高齢化が進んでいます。ついに浦安市で初めて、一つの小学校が廃校になってしまいました。入船北小学校です。この小学校跡地をどのように利用したいか。市民の誰でも手を挙げることができたこの機会をチャンスだと思いました。事業提案募集に応募をし、39事業の提案の中から11の推薦事業に選ばれ、のちにこの事業運営をプリズムが行うことが決定しました。浦安市初の女性創業支援施設が誕生します。

女性が店舗や事務所を持ちたいと思っても、浦安市は地価が高く、生活と両立しながら投資をすることは難しいのが現実です。また、多くの女性たちが望んでいるのは、投資が必要な起業ではなく、生活と両立をしながら、ゆるやかに成長していくことができる働き方です。そこで、店舗や事務所として利用したい人が共有して仕事をすることができる、シェアオフィス、シェアサロン、レンタルスペースなどの運営をします。浦安市の発表では、2018年7月に開業予定です。他世代の方に立ち寄っていただける場所になればと思っています。

地域での女性活躍から総活躍社会へ

「もっと早くここに来たかった。」プリズムに来た方に、そう言われることがあります。何かを始めたい!という想いは性別、年齢を問わないと思います。一人では不安なことも、仲間がいれば勇気がもらえます。これからも浦安市全体で女性活躍を応援する輪をより広げていきたいと思っています。それは世代を超えて、誰もが活躍できる社会へとつながっていくと信じています。

 

どんなライフステージでも、誰もが自分らしさを発揮できる社会へ【プロフィール】地域女性活躍支援団体プリズム代表 女性活躍コーディネーター 田頭あやこ : 浦安市在住。小4男児の母。地域女性活躍支援団体プリズム代表、アットウィルスタイル代表。うらやす市民大学コーディネーター講師。リアライズ両立起業スクール主宰・講師。NPO法人日本ファシリテーション協会会員。ワークライフバランスコンサルタント認定講座受講。コミュニティビジネスアドバイザー認定取得。子育て×フルタイム勤務×NPOの両立を実践したのち、東日本大震災をきっかけに企業を退職し独立。女性活躍コーディネーターとして、企業と女性、地域と女性をつなぐ事業を多数企画、実施。女性のキャリア、まちづくり、起業支援、経営支援など、公私ともに自身も活躍の場を広げている。

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