大震災後と確実に違う点は

3.11東北大震災のときは、絆や助け合いなど、一体感のあるコミュニティが出現しました。

アメリカの作家ソルニットは、地震などの自然災害で犠牲者が出たり非常事態に直面すると、人々の善意が呼びさまされ相互扶助的な共同体が現れると著書で語っています。

 

その一時的な現象を「災害ユートピア」と名付けました。

落ち着くに従って関心が薄れ、このユートピアは消えて、甚だしい場合は、被災者の自己責任を追及して攻撃に転じることもあります。

 

今回のコロナウィルス問題が異なるのは、瓦礫のように見えるものがなく、寄り添い接触することができないため、実感が掴みにくいことがあります。

医療の現場で何が起こっているかの報道も少なく、治療の最前線で、感染の恐怖と死に直面していらっしゃる医療従事者への差別が起こっていることを聞くと、暗澹とした気持になります。

 

一方、医療従事者への支援も、寄付やボランティアなどで現れています。

そのような直接的な支援ができなくても、外出や三密を控えて我慢することも、医療従事者の手を煩わせない支援だと思います。

自分の行動を律することが、誰かの支援になることが当たり前になる社会へ進化したいものだと切に思います。

 

都心一極集中に翳りは?

コロナ前は、都心部に一極集中、どんどん値上がりし、投資も盛んでした。

ところがコロナで一転、テレワークで都心に出勤することが減り、郊外の不動産の需要が息を吹き返し始めたというデータも出てきました。

 

テレワークが「慣れ」の段階まで進むと、この動きがもっと明瞭になってくると思います。

ただし、郊外の広い家で、自宅で仕事をする人が増えるとしても、自宅では落ち着いて仕事が出来ない人もいるでしょうし、都心に住むのは通勤のしやすさだけではなく、様々な文化的な好みによることも多いでしょう。

 

都心にシェアオフィスが増えると、都心の狭い家+シェアオフィスというテレワークの形もありますので、都心部の不動産の魅力はさほど薄れないのではないかと思います。

 

三密を避けるように

コロナによって、三密に敏感になる方が増えると思われます。

人口密度の高いタワーマンション、特にエレベータが少なくて、出勤、帰宅時間にエレベータが過密になるマンションは避けられやすいと言えます。

タワーマンションは眺望が良い高層階が一般的に人気が高いのですが、災害時でもエレベータが動くのか、武蔵小杉の洪水被害による記憶も生々しいので、購入者の選択眼は厳しくなるでしょう。

 

三密を避けるのは、マンション内だけではありません。

通勤の混雑路線、混雑駅は避けられるようになるかも知れません。

一般的には、便利なので住む人、乗る人も増えて過密になって行きます。

不人気路線や各駅停車が意外に見直されるかも知れません。

 

またタワーマンションが林立する駅は、人口密度が高く、非常に混雑しがちです。

マンションのような集合居住を避けて、一戸建て希望者が増えるか、今後注視したいところです。

土地の広さを求めるとしたら郊外の一戸建てということになりますが、人との距離を置きやすく、仕事部屋も独立して造りやすい一戸建ての需要が増えるかもしれません。

 

今後増える一人住まいの変化

コロナに感染した方の、容態の急変や路上死がニュースになりました。

軽症と思っていた方の容態が急変し、一気に死まで進んでしまうように、コロナの実態がつかめていません。

 

高齢化や非婚化で、一人住まいの方が増え続けています。

軽症だからと自宅待機を要請されて、症状が急変した時の不安は相当強いでしょう。

 

自宅ではなく「誰かいる」ホテルでの軽症者の隔離が増えていることにも反映しています。

老人施設へのニーズが増えるのか、誰か来てくれるセキュリティサービスが増えるのか、今後動きが出てくると思います。

 

密接な介護もできない、お葬式も出せないほど、コロナは人の関わりに変化をもたらしています。

物理的な距離をおいても、心では距離が縮まるような活動が出来るよう、これからも住まい方の変化をお伝えしながら、当社も考えて実行して行きます。