再開発地を歩く、の第一弾は、当社東京オフィスの地元でもあり、東海道はじめ五街道の起点「日本橋」地区です。
もともと東京は、江戸時代から水の都でしたが、水辺は戦後の高度成長時代に都市機能を高度にするために、治水や港湾施設、首都高速道路などの建設に特化してきました。
多くの粋人が嘆いた、お江戸日本橋の上に架かる無粋な高速道路が再開発ビルの地下にトンネルを通すことで、青天井の日本橋が現れる日を心待ちにしています。
地下化される予定の日本橋の上に架かる首都高速道
運河舟遊の船着き場は既に開設している。
神田川クルーズ、お江戸TOKYOクルーズなど。
上に架かっている高速道路が無くなる日が待ち遠しい。
運航予定は、㈱東京湾クルージング 03-5679-7311
おりしもインバウンドの拡大で、観光が大きな産業になってきました。
訪日外国人が好む「歴史と近代的テクノロジーの融合」がまさに日本橋地区の目玉となるでしょう。
橋という歴史遺産だけでなく、日本橋川沿いも再開発エリアに入っており、散策と川沿いのお店での買い物、飲食、運河での舟遊びなど、江戸ならではの楽しさが人々を吸い寄せると思います。
高速道路が取り払われた後のイメージ(©三井不動産)
今でも観光地として残っている築地市場(場外)ですが、江戸開闢以来、魚河岸は日本橋川北側でした。
大正12年の関東大震災で壊滅し築地に移転し、今は豊洲市場へ引き継がれています。(野菜市場は京橋付近)
江戸時代の日本橋の賑わいを表した版画
ビジネス街の再開発は、基本的にオフィスビルと大手テナントが入る商業ビル、ホテル中心ですが、日本橋地区の再開発の魅力は商都としての魅力で人を惹きつけるところです。
浅草の賑わいを見ると、遺跡と違って歴史が形を変えながらも生き続けている街は、お祭りがあると用事がなくてもウキウキして、ブラブラ出かけたくなる遺伝子が世界中の人にあるからではないかと思います。
日本橋地区の再開発は、二〇〇四年にスタートしていますから、早20年が経っています。
歴史を残しつつ蘇らせ、新たなものを創り出すことがいかに大事業か、完成の暁には、地元の協力者、デベロッパー、ゼネコン、行政の方々など、関わった方たちの熱意に敬意を示して大いに楽しみたいと思います。