晴海フラッグ、あっさり「最大」の記録を更新

2020年の東京五輪・パラリンピックの選手宿舎「晴海フラッグ」の販売が始まりました。

未曾有の民間大量分譲なので、市場に与えるインパクトは史上最大級になると言われています。

その総分譲戸数は何と4145戸で、一戸あたり3人の計画人口としても10000人以上の人口になります。

過疎地の市町村がまるごと入ってしまう規模です。

新浦安の地域で比較してみると、日の出3丁目~6丁目の全マンションの戸数を合計しても3300戸弱ですから、その規模が知れます。

 

1980年以降、最大級だったのは、東京では中央区の「ザ・トーキョータワーズ」2799戸、神奈川では川崎市鶴見区の「クレストプライムレジデンス」2506戸、埼玉では所沢市の「西武小手指ハイツ」2100戸ですから、2倍近い規模です。

高度成長期に住宅公団が開発したニュータウンさながらの工事風景が今なら見られます。

 

生活施設は併設されるにしても、電車が通っていないエリアでの交通の問題も指摘されていますが、徒歩や自転車で通勤する「職住近接」の方が購入する分には気にならないのかもしれません。

国はスマートシティとして、居住地の密集化による効率を追求していますので、国策に沿ったプロジェクトとも言えます。

 

人口増加を目指した中央区の事例が示すもの

中央区は昭和28年の人口が17万人だったのが、平成9年には7万人にまで減りました。現在は16万人にまで回復しています。

タワーマンションを建てやすくするために容積率を1.5倍に緩和しました。

平成5年からの円高で、湾岸地区の工場が海外移転し、土地はたくさん空いていました。

川崎も同じ理由でタワーマンション化しました。

 

今の中央区はどうなっているかと言いますと、容積率緩和を止めて、ファミリーマンションを規制しています。

人口が減った時に、多くの学校を廃校にしたので、学校関連施設が足りないのです。

ファミリーマンションを造るより、働く独身者を増やしたい気持ちが現れています。

 

独身の勤務者でしたら、保育園や学校は不要ですし、医療費の補助も要らないのに税収は得られます。

全国的に人口を増やしたい自治体は多いですが、急激な施策の影響も多大になります。

マンションは管理を買え、とはよく言われていることですが、少子化・高齢化が進むこれからは「不動産は自治体を買え」という流れになってくるでしょう。

 


すまいる情報東京 代表取締役社長
竹内 健二