こんにちは。代表の竹内健二です。

3月14日に、靖国神社の桜の開花宣言が気象庁から出ました。

全世界的なコロナウィルス禍で、今年の桜の季節は地味でしょうが、散歩しながら愛でたいと思います。

 

9年前の3・11東日本大震災の直後も、ちょうど桜の季節でした。

浦安市内は液状化被害、計画停電、水道や下水の不通で、とてもお花見というムードではありませんでしたが、桜はいつもの年と同じように健気に咲いていました。

 

3・11後に、福島の三春町に在る樹齢1000年以上と言われる滝桜が気になって見に行きました。

 

平安時代に植えられたと言われるこの桜は、やはり原発事故があっても、変わらない姿で咲いていました。

戦乱があっても、たとえ手折られても、そんなことは気にもせず、精いっぱい咲こうとする桜の姿は、自然災害が多い日本が、諦めずに今できることを皆でやり、何度も復興してきた精神的拠り所になっているのかも知れないと、改めて感じました。

桜の花を見ると、頑張ろうという気になります。

 

 

コロナウィルス禍で、宴会中止や自宅待機の方が増えて、街の飲食店も閑古鳥が鳴いているところが多くなっています。

そんな大変な状況の中、すまいる情報の東京オフィスの1階に、「鳥舟」という焼き鳥屋さんをお世話し、3月2日にオープンしました。

 

ご契約いただいたのはコロナウィルス禍前だったのですが、今まで経営していたお店が狭くて、ちょくちょく満席になり、せっかく来店して下さったお客様をお断りするのが申し訳ないというのが、移転の理由でした。

その志や良し、こんな世情の中、オープンすることになったので私たちも気をもんでいましたが、付近のお店はガラガラのところが多いのに連日盛況なのです。

 

店主は何と25歳の若者です。

様子を伺うと、例えばコロナ禍以前は3軒のお店に行っていたお客様が、出勤も減って1軒しか行かなくなった、それじゃ、あのお店に行ってあげようという「応援来店」が多いのです。

応援来店がない他の2軒はガラガラというわけです。平常時に、どんな商売の仕方をしていたか、いっぺんに分かってしまうのが、現在のような非常時なのですね。

 

このような実例は、色々な業界で起こっていると聞きます。

学校も休みになってしまったので、給食会社さんが大変だそうです。

あるところでは、介護施設の会社が給食会社にデイサービスのおやつを依頼したり、父兄が宅食を頼んだり、学校給食がない穴埋めに応援してくれているそうです。

普段から誠実な給食会社さんだったのだと思います。

 

 

聖書に「神様のふるい」という言葉があります。

置き換えて、神様は時々世のために役立つ良い会社と、そうでない会社とを選別する、という意味で使われることがあります。

今が、ふるいにかけられている時かもしれないと思うと、普段の心構えと行いの大事さに改めて身が引き締まります。

 

1階の焼き鳥屋さん始め、応援されるお店や会社に共通するのは、思いやりがあって、素直にお客様の言葉を聞いて、毎日1ミリでも改善して進歩させようとしているところだと思います。

中国の処世訓の古典「菜根譚」に言う「無策の策」が自然にできているのだと思います。

 

損得の計らいや策を弄することなく、自分のなすべきことを淡々と透明な心で懸命にやっていく「無策の策」は、松下幸之助翁も、宮本武蔵も、最上の策だと言ったそうです。

一方「無為無策」のほうは、何の対策も施さず、なおざりにして誰かがやるのを待つ、正反対でダメな無策です。

 

この道何十年のベテランといわれるお店や会社がダメになり、25歳の若者のお店が繁盛する、進歩工夫のない30年より、毎日1ミリでも進歩する1年が勝ることがはっきりしてしまうのが今です。

当社も創業36年と謳っていますが、毎日が1ミリ進歩の積み重ねでありたいと心して参ります。

 

 

竹内 健二