年々増える遺言状の作成件数

表は、公証人連合会の統計から、公正証書遺言の作成件数の推移です。高齢化が進むに従い増加するのは自然な流れですが、お子さんのいらっしゃらない方、配偶者が亡くなり一人住まいの方が増えている世相も反映していると言われています。
「終活」の一つに遺言状の作成がありますが、遺言状は何度でも書き直せますので、40代、50代から準備することも、今後増えてくると言われています。遺言状が、より身近なものになってきたと言えるでしょう。

遺言状を早めに作ったほうが良い人とは?

  1. 法定相続とは異なる相続分配をしたい方
  2. 相続人に未成年者や認知症の方がいる方
  3. 子供がいない方
  4. 相続人以外の人に財産を残したい方

・・・などが、遺言状を作っておいたほうが良い人です。最近当社へのご相談で増えているのは、3と4の方です。
子供がいない方は、兄弟姉妹、甥姪には遺留分がありませんので、遺言状を作っておけば配偶者にすべての財産を残せます。また、お一人になった高齢者は、相続人でないお嫁さんやお孫さんなど、自分の世話をしてくれた人に財産を残してあげたいというケースも増えているようです。
その他、寄付などで社会貢献したい場合も、遺言状に記しておくことが必要です。

年々増える遺言状の作成件数

ドラマなどでは、亡くなって初めて遺言状を開き、開けてびっくり、揉め事が起こる、というパターンが多いですが、遺言状は何度でも書き直せますし、予め家族に内容を伝えてもいいのです。
また、必要なことが書いてあれば、自分の思いや自由なことを書いても効力には影響しません。認知症になってからでは、遺言状は書けませんので、元気なうちに書き残しておくことも、煩わしさから解放されてイキイキ生きる一つのやり方だと思います。

【表】ここ10年間の公正証書遺言作成数の推移

代表取締役社長 竹内健二