こんにちは。代表の竹内です。

10月に入り20度前後の気温がとても過ごしやすく感じます。

57年前の東京オリンピックの開会式は10月10日でしたから、こんな涼やかな中で開催されたのですね。

 

この日は我が家に初めてテレビが来た日なので気候も覚えています。

 

 

心をうしろに置いて気候と言えば、今年ノーベル物理学賞を授与された真鍋淑郎さんは、昭和30年代に、地球温暖化の予測を立てられたとのこと、50年も前に、人には見えないものが見えていたわけですが、真鍋さんと同じ研究分野の学者さんは「真鍋さんは大きな目で見て直観的に考えるセンスがあった」と言っておられます。

 

大きな目で見て、とは実際に自分の目で見えたことだけではなく、自分を離れて大きな空間から俯瞰して、客観的な目で見た、ということだと思います。

能の世阿弥が言う「離見の見(実際には見ることができないが前後左右から自分を見よ)」に通じるのではないかと思います。

 

どうすれば自分を離れて客観的な目で見れば良いのか、世阿弥は「目前心後」と言っています。

「目は前を見ていても、心は後ろに置いておけ」という教えです。後姿を自分で見ておかないと、その見えない後ろ姿に卑しさが出ていることに気づかない、というのです。

 

自分を客観的な目で見る考え方は、「お天道様が見ている」とか、「後ろ姿を見送る」など、特別意識しなくても心にインプットされている日本人が、ぜひ50年後、100年後から見た視点で、地球の未来に資する貢献をして行きたいものです。

 

 

50年以上前に現代が見えていた人に、官僚でもあり詩人でもあった安積得也さんがいらっしゃいます。

一人ひとりには美しき種子があり、自分の知らない自分があるという「未見の我」という詩で有名な方です。

安積さんは昭和30年代から世界平和のために「地球市民」という提唱をされていました。

 

詩集「一人のために」は疲れた時の愛読書ですが、その中に「うしろ姿」という一篇があります。

「導く人尊し 導くとも知らで うしろ姿で導く人 さらに尊し」というものです。

心をうしろに置いて、客観的に自分を見られる人、50年後、100年後から見て必要な事が出来る人、そして我が社でありたいと願っています。