高齢者住宅の選び方とポイント・第3回:高齢者施設の見学、チェックしておきたいポイントは?

民間介護施設紹介センター『みんかい』 
関口 光博 さん

 

小崎  前々回(第1回)前回(第2回)に続き、3回シリーズでお話しいただいた紙上セミナーも今回で最終です。

今回は実際に施設見学する際のチェックポイントをお話しいただきます。

 

関口 : 実際に見学をすることで、他の入所者の様子やスタッフの働きぶり、施設全体の雰囲気など多くの情報が得られます。

見学に行く際は必ず予約を入れて下さい。

 

急な訪問の場合、担当者不在や他の見学者対応で十分な説明が聞けないことがあります。

また、なるべく2~3人で行った方が1人では気づかない視点を取り入れることができると思います。

 

小崎 : 私の場合、みんかいさんに紹介された施設の中で3ヶ所に絞り見学しました。

お陰様でここにお世話になりたいという施設が見つかりました。

 

関口 : それは良かったです。

それでは本題ですが、施設見学の際のチェックポイントは大きく分けて「建物・スタッフ・医療体制・契約内容」の4点です。

「建物」では、専用居室のトイレ・洗面台・収納等の使い勝手を確認しましょう。

 

介護用ベッド、エアコン、照明が備え付けになっている所が多いです。

共有スペースは意外と多くの時間を過ごすことになるので、居心地・使い心地を確認しましょう。

衛生面も重要なので、掃除が行き届いているか、臭いもチェックした方が良いですね。

 

小崎 : 私が見学した施設で、1ヶ所臭いが気になるところがありました。

 

関口 : 「スタッフ」はすれ違った時に挨拶できているか、入所者への対応はその方のペースで行っているか、笑顔があるかを見ましょう。

 

小崎 : 入所者とスタッフの人員配置が3:1というのを目にしますが、これはどういう意味でしょうか。

 

関口 : 入所者3人に対し1人の介護・看護スタッフを常勤で雇いなさいという、国で定められた人員配置基準です。

施設によっては、スタッフがバスの送迎や施設内の掃除も兼任している場合があり、ココもチェックが必要ですね。

 

小崎 : 日中と夜間のスタッフ人数も確認したくなりました。

 

関口 : 「医療体制」は施設の協力医療機関名、必要な診療科目があるか、通院しやすい場所かどうか、協力内容を確認します。

通院の際送迎はあるか、往診回数も確認しましょう。

 

小崎 : 施設見学の際、全ての施設で義父の要介護度や身体状態を細かく聞かれました。

施設の体制によって、認知症症状や医療依存度等で入所を断られるケースがあるようですね。

 

関口 : 「契約内容」では前回の費用面のお話でも出ましたが、月額費用とそれ以外にも見えない費用(おむつ代・雑費代等)が掛かりますので、内訳を含め確認しましょう。

 

契約となれば、入所契約書・重要事項説明書・管理規定等の書類が必要となります。

候補の施設があれば、見学時に入手し内容を確認しておきましょう。

 

小崎 : 見学時にはクーリングオフや保全措置のお話もしていただきました。

 

関口 : 入所する本人や家族が希望する医療行為やリハビリに対応しているか、食事形態や医療食・苦手な食材への対応等、個別に対応してくれるかも確認しておきましょう。

 

小崎 : 見学の際、食事がおいしいと言われている施設で試食させて頂きました。

確かにおいしくいただきましたが、思ったより味付けが濃く、歯ごたえもあるお料理でした。

 

関口 : 食事の内容もその施設の考え方や工夫が表れているものです。

候補の施設があれば、ぜひ試食をお勧めします。

 

小崎 : 関口さん、3回わたりアドバイスいただき、ありがとうございました。

最後に一言お願いします。

 

関口 : 見学回数を重ねるほど、施設を見る眼は養われていきます。

しかし、却って迷って決められなくなったという方も少なくありません。

そんな時は原点に立ち返り、本人や家族にとって何が大事か、何を大切にしたいか、優先順位を付けて最良の施設を見つけてください!

 

 

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