「歳をとったらマンションに」という選択肢が難しい街、新浦安

浦安市の9月1日現在の統計上後期高齢者とされる75歳以上人口は10,356人(浦安市発表)、10年前は5,034人でしたから倍増したことになります。前期高齢者が16,000人以上控えておりますので、急速な高齢化と住宅の問題は、これから大きなテーマになると考えます。
この状況を背景に、私共不動産業者への依頼で急速に増えてきたのが「新浦安駅前のマンションに住み替えたい」というご高齢者からのご希望です。ご高齢者本人は、まだまだ今の住居で大丈夫、と言ってもお子さんから「心配だから移って欲しい」と頼まれることもあります。手入れが大変で、階段もある一戸建てから、老後は草むしりや雨戸の開け閉めもないマンションに、それも車が無くても生活できる、医療や買い物に便利な新浦安駅前に、というお考えは「公式」通りで、何とかご希望を叶えるお手伝いをしたいと我々も思っています。しかし、新浦安が計画都市だけに、新たな住宅の供給が数十年止まっており、需要は増えても住宅は増えず、という状況が現在起こっていることです。

新浦安は、住み替えるにも10分の1の“当選確率?

新浦安駅前、住所で表しますと、美浜、入船地区には、約5,000戸の分譲マンションがあります。一般に、不動産業界では、戸数に対して年間にどれくらい売却による移動があるかという「移動率」を1~2%と見ています。つまり、5,000戸に対して年間100戸程度は売り物件が出て、買う方はその中から予算や間取りなど、自分に合ったものを選ぶ、というのが望ましい姿と言えます。
では新浦安の現状はどうか。現在売り出されている居住用のマンションは、戸建を売ったお金以内で買えると思われる4,000 万円未満で、わずか5件、エレベータが停まるものに絞ると1件です。価格を問わずでも、全体で10件、エレベータが停まるのはその内4件という少なさです。住みやすさ、便利さ、は居住年数が長くなることですので、売る方が少ない、とも言えます。多くの駅の10分の1位しか、新浦安は動く人が居ない、というのが現場の実感です。まして、計画都市で再開発の余地はほとんどありません。「公式」と「実際」がこれほど離れているのも、新浦安の大きな特徴です。

賃貸もほぼ満室状態の中、別の選択肢を加える時代に?

分譲が無理なら賃貸でも、と思っても駅前の賃貸はUR 美浜西エステート910 戸のみで、こちらもいつも満杯状態に近くなっています。行政でも今後はこの「住」の課題は取り組んで行くことになると思いますが、時は待ってくれません。選択肢を一つに絞ってしまいひたすら待つことも健康な方でしたら「有り」だと思いますが、他の選択肢も時には必要になってくると思います。実例を基にした他の選択肢のご提案も、私共不動産業者の大きな業務の一つですので、大いにご活用いただければ本望です。

代表取締役社長 竹内健二