長く連れ添うほど配偶者の法定相続分を増やす

配偶者は常に相続人になる非常に強い立場です。現行では、①お子さんがいる配偶者は1/2、②親のみいる配偶者は2/3、③子も親もいず兄弟姉妹だけの配偶者は3/4が法定相続分です。この制度になって35年経ち、世の中もだいぶ変わってきました。そこで法制審議会で、この法定相続割合も含めて、改正される動きがあります。パブリックコメントに対する意見募集がこの9月で締め切られますので、近々何らかの動きがあるかも知れません。全般的には、長く連れ添った配偶者に手厚く変更しようという内容のようです。婚姻期間が20 年とか30年など長く連れ添った場合、前記①の場合1/2を2/3にする等です。現行では、婚姻期間が1日でも30年でも、法定相続分は同じですから、大きな変更と言えます。そのほか、夫が亡くなった場合の遺言で自宅を妻以外に贈与しても妻には住む権利が確保されるなど配偶者に手厚く変更する意図が見えます。また今日的な問題ですが、相続や遺贈の対象になっていない人でも、生前に介護や看病などに貢献した場合は、相続人に金銭を請求できるようにする案もあるようです。国の予算を使わずに介護問題を解決する一助にする意図が見え見えですが、これは今後注目されるテーマだと思います。

配偶者が全部相続すればモメない?

現在でも、配偶者には1億6千万円までの遺産でしたら税金はかかりませんし、法定相続分まででしたらこれを超えても税金はかからない等、配偶者は優遇されています。全財産が1億6千万円以内でしたら、配偶者が全て相続してしまえば、無理な税金対策を行う必要はありません。なんでもかんでも、法定相続で割り切る必要はなく、不動産のように分割できないものを共有にすると、後々争いの種になりがちです。相続人が介護に参加できないケースも多いと思いますし、お子さんのいらっしゃらないご家庭も今後増えてくると思います。相続はお世話になった人への感謝を考える良い機会と言われています。金融業界、建築業界で、様々な相続対策の提案が出ていますが、誰も喜ばない、対策のための対策にならないよう、じっくりと考えて頂きたいテーマです。私共も、対策提案だけでなく、それを考えるときのお話相手になれるよう、感謝を軸に研究して行きたいと思います。

代表取締役社長 竹内健二