こんにちは。代表の竹内です。

立春を過ぎ、日が長くなってきました。

桜満開の中の入学式には、コロナ終息が見えていることを切に願います。

行動範囲が狭くなった分、散歩が増え終息後は健康な人が増えていた、というようになるといいですね。

 

 

誰がために今年のお正月は、家でテレビや映画をご覧になった方が多かったと思います。

私はNHKスペシャルのドキュメンタリー「ヒグマを叱る男」を観ました。

何回も再放送されている番組ですので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

 

青森の漁師の家に生まれた大瀬さんは、家が貧しかったため漁場を求めて50年以上前に津軽から知床にやって来ました。

良い漁場は既に他の人が押さえていたので、空いているところに番屋を建てたら、そこはヒグマの生息地でした。

 

そのヒグマと共存する姿を追ったドキュメンタリーで、「こら!こっちに来るな」と肚の底から熊を叱ると、熊は退散して行きます。

一度も事故はないそうです。

大瀬さんは絶対に熊にエサをあげないことを守ってきました。

番組ではエサ不足でガリガリに痩せた熊が近づいてきても、叱って追い払っていました。

一度でもエサをあげると、エサをあげない人間を襲うようになるからだそうです。

そして熊を殺さざるを得なくなります。

 

この姿を見て、とても想いやりの心を感じました。

熊に意味は分からなくても、肚から出した愛情の言葉は、言霊が乗り移っていて、伝わるのだと思います。

こんな想いやりの形もあるのだと気付かせてくれた素晴らしい番組でした。

 

 

80歳を超えた大瀬さんを見ると「老人と海」を著したヘミングウェイを思い出します。

そのヘミングウェイに「誰がために鐘は鳴る」という小説があります。

鐘は弔鐘のことですが、ジョン・ダンという17世紀前後のイングランドの詩人の詩の一節から取った著書として知られています。

 

弔鐘が聞こえてきたら、誰の弔いだろうかと他人事のように問うなかれ、それはあなたのためにも鳴っているのだから、という一節です。

私は、この共感と連帯を謳った一節を、自身の想いやりの規範にして、もっと良い世の中になる一助になりたいと思っています。

今年も、様々なご相談事を頂くと思いますが、一体の心でお受けしたいと願っております。

 

 

 

竹内 健二