相続に備えたご相談のときに、お客様から聞かれるのが贈与のお話です。
相続は、自分は参加しない、いわば他人事、あとは宜しく勝手にやってくれ、とおっしゃる割には、親族の仲が悪くなるのも寝覚めが悪いと、あれこれ考えて早〇年。

 

今年は、ちょっと真剣に考えてみたい  生前贈与のあれこれ一方、自分が元気なうちに、築いた資産の一部を、お子さんやお孫さんのために役立てたい、喜ぶ顔が見たい。

相続を前倒しするようなものだから、これで後は自分のことに集中したいという気持ちから、生前贈与を考えたいという方が増えてきました。

 

現在は、人口構成で人数が多い団塊の世代以降の方がリタイアし、消費を引っ張っていますが、ちょうど初孫が出来たり、お孫さんが進学したりする時期で、この孫たちが大人になるころの日本はどうなっているのだろうか、自分たちが同じ歳の頃とは、かなり違うだろう、それも良くないほうに違う、という心配が共通認識のようです。

 

結果として、生前贈与は行わないにしろ、子供や孫の将来に思いを馳せるキッカケになればと思い、さわりだけになりますが、ご紹介させていただきます。

 

お金が循環して、経済活性化につながるような意図があり、非課税という特典を設けてあります。

 

なお、贈与を実際に検討されるときは、非課税の適用時要件が細かく規定されていて、失敗すると、とても大きな税金がかかってきますので、詳しい税理士さんに、有料でも相談されることをお勧めします。

よろしければ、ご紹介させて頂きます。

 

 

こんなにあるの?贈与の種類

① 単純な贈与

よく知られた、年間110万円の基礎控除がある贈与です。

毎年定期的に贈与していると、基礎控除より大きな額の「分割払い」とみなされて、その大きな金額の贈与とみなされることがあります。

18歳以上の子や孫への贈与は税率が低くなります。

 

② 住宅取得資金の贈与

親など直系尊属から住宅の取得などのための資金を受けた場合は、来年の3月までの取得であれば、消費税増税の補填の意味もあり、適用される住宅であれば最大1500万円まで非課税になります。

 

③ 教育資金の一括贈与

親が子に、祖父母が孫に教育資金を贈与する場合、要件を満たせば最大1500万円まで非課税になります。

昨年の税制改正で令和3年3月末まで延長されました。

ただし、贈与を受ける人に所得制限がかかりました。贈与された方が30歳になるまでに使い切らないと、残額は贈与税がかかります。

 

④ 結婚・子育て資金の一括贈与

こちらも令和3年3月末まで延長されました。

祖父母や親から、20歳以上50歳未満の子や孫へ結婚・子育て資金を贈与した場合、お子さん一人に付き1000万円まで非課税になります。

所得制限が昨年改正されました。

 

⑤ 夫婦間の居住用不動産の贈与

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例です。

昨年の相続法改正で、昨年7月以降に夫婦間贈与した不動産は、相続の時に持ち戻し計算しなくてよくなりました。

相続税対策に使える範囲が広がったと言えます。