住宅各社は次の消費世代に徐々にシフト

都心部のマンションが続伸する中、到底若い世代では買えない価格になりました。

ただし昔のベッドタウンのように、長距離の通勤時間をかけても持ち家には拘らない、そんな世代に向けて特徴のある賃貸住宅が現れ始めています。

 

各社は投資資金が流れ込んでいることもあり、積極的賃貸派の若いファミリー層に向けた賃貸住宅の建設に向かっています。

 

いわゆるZ世代(10代半ば~20代半ば)は、アベノミクスによる経済上昇の中育っているので、多くの選択肢の中で、好みが細分化していると言われます。

 

世代でひとくくりにできない多様性があり、十把一絡げにした仕様品が売れない世代でもあります。

 

 

住宅異業種の賃貸参入が加速

好みが細分化しているZ世代に向けた住宅として、十把一絡げのマンションではなく、ニーズを細分化したり、特徴を出した賃貸住宅が出始めました。

例えば、オフィス家具のコクヨは、オフィス空間のデザインに長けており、仕事場兼用の住宅の需要に対してノウハウを生かした賃貸マンションを展開しています。

 

異業種ではありませんが、ミュージションという音楽家向けの防音マンションは、相場より3割高い家賃でも空き待ちが数千人いるとのことです。

ミュージシャン需要だけでなく、音楽やダンス系のユーチューバーの増加や、神経を張り詰める在宅の仕事をしている人の需要が急増しているそうです。

 

賃貸住宅から購入する理由の一つに防音が挙げられています。

賃貸で防音に優れていれば、あえて先行き不安な購入をしなくても賃貸で良いという世代にうけています。

 

 

リフォームや分譲でも異業種が参入し多様化

ヤマダ電器では、太陽光発電機付の住宅と電気自動車のセット販売を始め、自動車購入費も住宅の付帯設備として、銀行と提携して住宅ローンに組み込めるようにしました。

 

京急電鉄でも、引退した車両の部品を中古マンションのリノベーションに活用して販売する事業を開始しました。

座席をソファにしたり、荷物の網棚を飾り棚に、階数表示に車両番号銘板を使ったり、鉄女、鉄男の方々にはたまらないかも知れません。

Z世代向けの多様化した住宅が出てくるのが楽しみな時代になってきました。   

 

 


すまいる情報東京 代表取締役社長
竹内 健二