様々なランキングを活用した住む場所選び

「住みたい街ランキング」などは、不動産会社や不動産情報会社で多く見られます。

これは消費者アンケートがメインのため、どちらかと言うとイメージ人気ランキングのような結果が多く、上位は決まって吉祥寺とか横浜などになります。

実際の住まいを選ぶ際の「生活」に密着したデータを基にしている訳ではありません。

これらの人気ランキングは、車と同じ、人気車種や人気色が中古で売る時に高く売れるように「リセールバリュー」の目安と思えば良いでしょう。

 

一方、経済専門誌などが出しているランキングは、例えば待機児童数や地区町村の財政状態や補助金の額、医療施設の数、商業施設の数など、データを基にしたものが中心です。

データの上でも優秀で、人気ランキングも高いところは、当然に住宅価格も高くなります。

 

反対に、人気ランキングでは低くても(値上がりは期待しない)、生活データによるランキングでは高い(生活利便性が高い)ところは、低い予算で充実した生活を実現したい方には検討できる指標となるでしょう。

 

生活データランキングが高くて買いやすい地域は?

日経DUAL誌と日本経済新聞の自治体調査による「共働き子育てしやすい街ランキング」があります。

「保育園入園を希望する人がどれくらい入れるか」といった保育園に関する整備状況や病児保育施設の充実度などを自治体ごとに調査して点数化したものです。

東京では「新宿区」「千代田区」が上位ですが、人気ランキングでも上位の住宅価格が高い区です。

 

一方、比較的買いやすい(人気ランキングが低い)ところで見ると、松戸市(5位)、板橋区(6位)、荒川区・葛飾区(8位)などが出てきます。

また、ご年配の方が住み替えるときに気になるのは、医療に関することです。

診療所の数を面積で割った診療所の集積密度ランキングは中央区・千代田区などの都心部が上位ですが、入院ができる病院、病床数の多い区ランキングでは、1位・板橋区、2位・足立区など、住宅価格が安めの区です。

 

もちろん住まいは個人の嗜好が大きく反映しますし、友人や親族との距離など、ランキングだけでは割り切れませんが、少なくとも「住むところを選ぶには、そういうことも考えておいた方が良いな」という目安にはなりますので、大いに活用したいものです。

 


すまいる情報東京 代表取締役社長
竹内 健二