商業ビルの相次ぐ取り壊しの一方、住宅は

老朽化した著名なビルが相次いで取り壊しされています。

旧電通ビル、世界貿易センタービル、旧原美術館、旧宝塚ホテルなどです。

商業ビルは、急激なIT化の世の中に対応できなくなり賃貸価値が下がってしまうのでやむを得ない面もあります。

 

一方、マンションは築年の古いものほど良い立地に建っている場合が多く土地に余裕があれば建て替え出来る要素はありますが、区分所有者がたくさんいて、個人負担も多額で建て替えにブレーキがかかります。

東京カンテイが調査した、実際に建て替えした282件のマンションの表を見ると、東京が174件で断トツ、あとは大阪、兵庫、神奈川など大都市圏に一局集中していることが分かります。

 

都道府県別 建替え物件の築後経過年数分布(東京カンテイ)

 

政府も大規模リノベーションを後押し

マンションの建て替えは、合意を得るのに長い時間がかかり、資金負担も多額のため、なかなか実現しません。

そこで、建て替えよりも少ない資金負担で済むリノベーション(耐震性をアップすることも含めた大規模改修)をしやすくするため、区分所有法の改正を検討しています。合意する人の割合を下げれば実施しやすくなります。

 

築40~50年の「建て替え適齢期」のマンションは、駅近で敷地に余裕のある旧公団系のマンションに多く、建て替えするより期間も短くできます。

法改正があれば、投資で持つにも「建て替え適齢期」のマンションがねらい目になるかも知れません。     

 

 


すまいる情報東京 代表取締役社長
竹内 健二