新築マンション価格バブル超えの陰で

2021年の首都圏新築マンションの平均価格が、2020年よりさらに3%近く上がり6260万円と過去最高を更新しました。

23区平均ですと8293万円、さらに都心3区では軽く1億円超え(66㎡20坪で坪500万円以上)です。

 

価格を抑えるため、「より狭く」「よりローコスト」に向かっている新築マンションの陰で、中古マンションが、新築を上回る値上がり率を示しています。

東京では2021年より11%500万円以上平均価格が上がり、新築価格に近付いてきました。

 

もはや中古マンションは「新築より割安だから」という理由ではなく、「狭くてローコストな新築より良い」という存在になってきたと言えます。

コロナや自然災害による物流の停滞やコストアップ、供給不足などで、住宅設備や木材など、軒並み値上げです。

 

新築がこれ以上過去最高価格を更新しないためには、より狭く、よりローコストに、という方向が続くかもしれません。

これからは適切な広さと質、地域の魅力も含めた「良い中古」の時代になると予感します。

 

 

戸建人気は投資にも影響

新築マンション平均価格は、30年前の平成バブル超えとなりましたが、当時と大きく違うのが住宅ローン金利です。

前回バブル時は旧住宅金融公庫でも5%、銀行では8%の住宅ローン金利を頑張って支払っていた方も多いと思います。

 

現在は1%を切って、ローン控除を使うと控除金額内のローンは一定期間実質金利0、金利より還付金のほうが多いとなれば買わなきゃ損という気持ちにもなるでしょう。

 

ローンの低金利に支えられた億ション需要は、所得の向上に支えられた需要に比べて非常に不安定です。

金利が上がって所得が上がらない場合、支払い不能になる可能性が出てきます。

 

その面でも、選択肢の広い中古物件から安全な予算で選ぶ、さらに投資によって、アテに出来ない所得を自力で補う、という「二刀流」が当たり前になってくる時代が近いかも知れません。
       

 


すまいる情報東京 代表取締役社長
竹内 健二