季語の現場に立つ【この記事を音声で聴くにはQRコードまたは以下のURLから】
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こんにちは。すまいる情報代表の竹内です。

お盆はいかがお過ごしだったでしょうか。

 

私は例年、お盆休みには、その年の上半期1月~6月に亡くなった作家の本を、正月休みには下半期7月~12月に亡くなった作家の本を、書棚の奥から引っ張り出してきたり、買い直したりして読んで過ごします。

 

今年前半に亡くなった作家は、大江健三郎さん、永井路子さん、富岡多恵子さん、原寮さん、黒田杏子(ももこ)さん平岩弓枝さんなどですが、今年は、家に居ながらにして旅を楽しみたい気分で、俳人の黒田杏子さんにしました。

 

 

黒田杏子さんは「季語の現場に立つ」ことを俳句創作の基本にして、全国を吟行に歩いた方です。

黒田さんはそこで「五感を使うこと、想念をよく動かすことを勧めます。

ですので、黒田さんの俳句は、読んだ人をその場に連れて行ってくれます。

 

「五感」のアンテナを広げて様々な場面に立っていると、いろいろな「感情」も動きますが、音や匂い、手触りやものの動きなどによって、その場には全くないモノや情景がふっとよみがえったり、一瞬のうちに太古の昔へ時間を超えたり、行ったこともない地に空間を超えたりできることもあります。

 

私は自分では俳句は作りませんが、読むのは大好きで、未知の時代や場所にワープする感覚を味わえます。

ちょっとした旅では、俳句歳時記を持って行くと、想念だけで何倍も旅を楽しめます。

 

 

日本人の脳の構造で、諸外国と全く異なるのは、漢字に複数の音訓読みがあることだと脳科学者の養老孟司さんがおっしゃっています。

初秋の季語で「ほおずき」という植物がありますが、漢字にすると「鬼灯」です。

漢字の本家の中国でも、形態から「錦燈籠」とか「紅姑娘」という字を充てるらしいですが、読みは恐らく字の通りだと思います。

 

ところが日本では「鬼灯」を「ほおずき(ほほづき)」と訓読みさせてしまう飛躍があります。

日本人にとっては同じ意味でも、諸外国の方にとっては別の単語と思われるでしょう。

この能力を現代的にもっと活用すれば、面白い文化が生まれるかも知れませんね。

 

 

「季語の現場に立つ」態度は、私たちの仕事にも共通する所作だと感じます。

不動産の仕事での季語は、誕生、成長、独立、定年、様々な四苦八苦などの、人生の節目だと思っています。

そして、お困りで気の毒だとか、喜んで頂き嬉しいという「感情」だけで留まらずに、五感を使って相手の未来を想ったり、まだ見ぬ人とのつながりを確信できたりしたら、今よりもっと良い関係を築けるだろうと、ちょっとワクワクします。