こんにちは。

すまいる情報東京の代表、竹内健二です。

 

梅雨明けと共に本格的な猛暑の毎日、木陰を探して歩く毎日ですが、樹が本当に少ないです。

地面が土であれば、枯れ葉も肥やしになりますが、コンクリートではタダのゴミ、色々なコストや住民の苦情を考えると仕方ないのかも知れませんが・・・。

皆様もご自愛専心にてお願いいたします。

 

ところで、先日シンガポールから帰国されるのお客様の住宅をご案内しました。

シンガポールのほうが、はるかに赤道に近く熱いはずですが、東京のほうが体感で暑いとおっしゃいます。

これはヒートアイランド現象といわれていて大都市においては木や土などの自然素材的な表面が減少し、舗装面やコンクリート建物などの人工的素材の表面が増加して、日中の地表面温度の上昇や蓄熱が生じやすくなっていると考えられています。

さらに、大都市では建物の高層化が進行しており、天空率が小さくなることにより、夜間の放射冷却が阻まれ、熱が溜まりやすい状況に変化してきていると考えられます。

 

私は、都市や地域を見るときに、この天空率、おおざっぱに非学術的に言いますと、空を見上げた時に、どれくらい空が建物でふさがれていないか、をとても気にします。

住宅をお勧めしたり、長く住みたいというご希望がある時には、なるべく天空が広い地域をお勧めします。

 

個人的な好みもありますが、ゆったりと暮らすには、人には広々とした空が必要だと思っています。

私共は、新浦安で33年不動産の仕事をしていますが、この新浦安は天空率が大きく、とても空が広いのです。

リゾート風の都市とか、浮ついた宣伝文句ではなく、空が広いのが一番の特徴だと思っています。

 

都市計画で高層化を抑え、低層の街にしたのは誠に先見の妙があったと思います。

高層化を抑えると住宅戸数が伸びす、人口が増えにくい、という面はありますが、知恵と工夫で解決して行けないことはありません。

 

商業地域でも、建物が低いところは落ち着きがあります。

銀座が良い例です。

銀座ルールといわれている高さ制限は、地域の力が強く働いた場合の心強い試みです。銀座の高さ制限は56メートル、ビルですと10階前後、マンションですと15階程度です。

歩いていても圧迫感がなく、天空率も大きい、まさに天晴な街です。

 

東京や大都市が超高層化するのは、高さの規制緩和という打ち出の小づち、実際の資金や労力をかけずに経済対策をするときの常套手段です。

30階しか建たないところを50階建てられるようにするだけで、土地の価格は上がり、建物面積も増え、それだけ大きなお金が動きます。

特に、地域コミュニティが薄いエリアであれば、銀座と違って反対する人はいません。

 

東京一極集中による経済対策は、地方には恩恵をもたらしません。

しかし、地方も箱物やイベントでは創生できないと思っています。

何より、そこに暮らす方が、その地域が大好きで愛着を持っている、というところがスタートラインです。

住民が自分の地域を好きでないのに、余所から人を集めるのは難しいでしょう。

好きであれば、それこそ観光名所がなくても、引きつけられるものが出てくるのだと思います。

当社も応援している、地域女性活動支援団体『プリズム』さんも、根っこに浦安が好き、というベースをもっています。

 

東京も地方の一つとみれば、地方創生の形が創られて行くはずです。

天空が広い街浦安と、高さを抑えた都市の在り方を実感できる日本橋地域で、当社なりの地方創生のお役に立って行きたいと思います。

竹内 健二