ここ1年の相場は? 動きの特徴は?

都心部マンションの急激な高騰も、海外からの投資の減少、税制改正の動き、居住用賃貸の家賃伸び悩みなど、減速気味のニュースが増えてきました。とは言え、過去のバブル、ミニバブル時期と異なるのは、現在は資金力の豊富な大手デベロッパーのマンションが多いことです。売れ行きが鈍っても、値下げしたりせず現状価格でじっくり売って行く方針が見て取れます。過去のバブル時のように、資金力のない新興デベロッパーが売れ残りを叩き売りするという現象が見られないことから、都心部はまだまだ「高止まり」が続くと見ています。そうなると、浦安か ら都心部への住み替えも、まだまだ難しいと諦める方も多いことだと思います。そのような背景もあり、浦安は市内転居需要が続いています。 表は、直近1年間とその前の1年間のマンション成約データを比較したものです(60 ㎡以上のファミリータイプ、レインズ調べ)。

取引数は増え、総額、坪単価とも値上がりしています。住宅ローンの低金利も反映しているものと思われます。市内の需要が旺盛なうえ、都心部の高値が続くとすると、都心部を買えない方が浦安を選択することも考えられ、もう少し浦安の相場は強含みが続くのではないかとみています。

土地は復活したのか?

土地の取引はどうでしょうか。下の表は同じく土地取引のデータ(40 ~ 60 坪の分譲地系)です。価格、坪単価とも横ばい、マンションほどの値上がり傾向はまだ見えません。分譲地に新築すると総額7000万円以上になりやすく、やはり買い手が気軽に手を出せる価格ではないと思われます。土地の再上昇は、都内からの購入者が増えることと連動するのではないかと思います。

一方、中古家屋付きの一戸建ては、マンション同様上昇しています。表はそのデータです(土地は40 ~ 60坪の分譲地系)。土地を買って新築するのは予算的に無理でも、中古一戸建てであれば、マンションとの二択で選んでいる方が増えている様子が見て取れます。マンションが買えないなら予算内で買える一戸建てでも、という選択です。手入れの良い一戸建て、築年数が20年以内の一戸建ては、マンション検討者にも選ばれる可能性がありますので、価格は強含みで推移するでしょう。

高齢者のマンション需要が増える今後の行方は?

市内の一戸建てエリアに住むご高齢の方がマンションに住み替える需要も今後プラスされてきます。そうなると、売り物件が少ない市場のときは、若い層が購入できるチャンスは減少します。就学前のお子さんがいらっしゃる家庭では、他の市で購入するしかない、という状況も予想されます。若年人口の減少につながり、街としては悩ましい問題です。この市場のアンバランスをどう乗り超えて行くか、これからの浦安の住宅から見た大きなテーマだと思い、いろいろな打開策、提案を提供できるよう研讃して行きたいと思います。

代表取締役社長 竹内健二